米国撮影団⑩ サンフランシスコ
サンフラシスコと聞けば、多くの人にとっては金門橋かケーブルカーを連想するだろうが、僕にとっては「ヒッピー・ムーブメント」がすぐ目に浮かぶ。サンフランシスコがヒッピー文化の発祥の地だったからだ。ヒッピーブームの60年時代に学生生活を送った僕は、今回ヒッピータウンを訪れることを楽しみにしていた。
この「カウンターカルチャー」の運動は、高度経済成長のトップを走っていたアメリカから起こり、ビート詩人たちがこれに加わり、1960年代後半、カリフォルニアで爆発的に盛り上がった。キーワードは「愛と平和、芸術と自由」で「ラブ&ピース」が合言葉であった。
サンフランシスコはアメリカの町の中では先進的、リベラルな風土で、アメリカの新しい文化はこの町から始まるといっても過言ではない。差別をなくす公民権法案をいち早く認めたのもこの町だし,ゲイのコミュニティを認めたのもサンフランシスコだった
ヒッピーたちは伝統的な制度へ反発し、縛られた社会生活を否定し、マリファナを吸い、ベトナム戦争に反対し、自然への回帰を志向し、東洋的宗教への関心を寄せた。既成の制度に対する若者の反発であった。その運動はまたたくまに世界に広がった。長髪、ロック、マリファナ、サイケデリック、反戦、自然食、禅、密教、フリーセックスなどがヒッピー運動の構成要因だった。ロックの祭典「ウッドストック」はヒッピー文化を象徴するものであった。

その運動の中心となったのがサンフランシスコで、ヘイト・アッシュベリー通り周辺にはヒッピーたちが集まってきた。ここは「聖地」と呼ばれ、ジャニス・ジョプリンもこの地を拠点にしていた。現在も当時の雰囲気が漂うエリアで、ビジネスで成功した元ヒッピーがここに戻り始めているという。ハイト通りを中心にロックやパンクの店、古着屋、カフェなどが並び、ショップでは懐かしいアレン・ギンズバーグの詩集やジャック・ケルアックの小説、ピースマークのペンダント、縮みのTシャツなどが売られている。
現在、ヒッピー運動の「ラブ&ピース」の精神はオーガニック(有機農法)文化に受け継がれている。この食に関する運動は、一言でいえば「地球を守り、人々を守る」ということだろう。環境を汚染する化学肥料や農薬を使わず、安全な食材を味合うとtいう、というのがサンフランシスコの人たちのライフ・スタイルだ。多くの人が、特にインテリ階層はこの「オーガニック」という言葉に敏感に反応するようだ。当然ロハスな生活、スローフードの運動とリンクしていく。
「ヒッピー発祥の地」から「オーガニックの聖地」となったサンフランシスコ。環境を大切にするエコ・ライフを目指そうとしている方はぜひ訪問したい町である。

*サンフランシスコ観光局のメルマガ最新号から転載。アメリカ取材から帰国してすぐ執筆しました。




















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