3000キロも旅をするアオウミガメ
こちとら、花の名前なんてまったく知りません。
知っているのは、アサガオ、コスモス、ヒマワリ、バラ、サクラ、ウメ、アジサイぐらいのもんだ。最近、この写真の花の名前がテッセンだと知り、ひとつ賢くなりました。クレマチスの一種です。
テッセンを漢字で書くと「鉄線」。茎が堅く針金状であることから、この名が付いたとか。カタカナ表記だと、それなりの雰囲気があるが、感じだとまったくつまらない名前だ。ネーミングなんてこのようにかなりいい加減なもんですわ。国名、地名にしてもね。
今回も、この花の写真に関係なく、南アラビアの砂漠と石油の国・オマーンのアオウミガメの話を紹介します。
うっとおしい梅雨空なんで、からっとした砂漠の話がしたくて♪ 前回のカバの話が評判いいので、動物シリーズといきましょう。
↓ インド洋、アオウミガメの三大産卵地
南アラビアのオマーンは砂漠と石油の国、最近は日本チームとのサッカー相手として知られるが、もうひとつ有名なものがある。それはインド洋におけるウミガメの三大棲息地なのだ。
首都マスカットから東南へ200キロ、オマーン湾に突き出たラス・アル・ヘッドがウミガメの保護区である。取材前に自然保護局長に話を聞いた。
「オマーンの海岸線にやってくるのは5種類のウミガメ。一番多いのがアオウミガメで、5月からの産卵のシーズンになると、毎晩わずか1キロのビーチに200匹ものアオウミガメが上陸し、そりゃ壮観ですよ」
私たちは期待を胸に取材に向かった。夜10時海岸に着くと、入り口には保護区を示す大きな看板が立てられ、遮断機があった。取材許可書を見せ、その夜は車の中で仮眠。朝方、海岸に下りると、あるわ、あるわ、直径2メートルほどの大きな穴がいくつも掘られていた。その数の多さにびっくり。

↑アオウミガメが産卵したあと後、砂浜に残った文様。穴ぼこの底に卵がある
保護官に聞くと、今夜は150匹が産卵中だという。どの穴にもカメが潜み、産卵の真っ最中。「フガァァ」という大きなため息があちこちから聞こえてくる。カメの目には涙らしきものがあふれているが、これは涙じゃなく塩分が出ているらしい。当夜、レインジャーが計測すると、甲羅の長さが108センチもある大きなカメもあった。
アオウミガメは一晩に100個の卵を産み、それらは55日後に孵化する。面白いことに孵化の温度によって性決定がなされるという。温度が29度Cより低いとオスが生まれ、高いとメスばっかりになるそうだ。環境によって変わる性決定。不思議な自然の摂理だ。
産卵を終えた母親カメは前足で砂をかけて穴を埋め、海に帰っていく。その這いずった跡は、暴走族が海岸を走り回ったような曲線が浜全体に描かれていた。その近くには、卵を狙うキツネの足跡も点々と付いている。首尾よく孵化しても、海に到達する前に鳥の餌食になることも多い。生存競争はどこでも厳しいのだ。
オマーンの浜で標識タグを付けられたアオウミガメが、はるか3000キロも離れたモルジブ諸島で発見されたという。カメの行動範囲たるや、おそるべし。まさにグレート・ジャーニーである。



Comments
ごう先生
子どもの時、川で拾ってきた「かめさん」を飼ってました。大きくなったので、近所の山にある、かめのたくさんいる、池に放したけど、
しょっちゅう様子を見に行っていたのを思いだしました。たくさんいても、どれが自分の亀だったか、見分けられて、嬉しかったです。怪獣は「ガメラ」が好きだったし、たくさんのうみがめがいるところを見てみたいです。
産卵の様子はテレビでは見たことがありますが、ほんとに、泣いるようにしか見えないですよね。
気温によって性別が決まるなんて、まさに自然のミラクルというか不思議ですね♪
Posted by: じゅんじゅん | July 12, 2009 at 09:54 PM
じゅんじゅんさん、
まいど。
僕の故郷、熊野の海岸にはアカウミガメが産卵のために上陸してきます。
地元の有志が、その卵が他の動物に食べられないよう、近くの砂場に建てられた孵化場に移しています。
孵れば、それらを熊野灘に返しています。
Posted by: ごう | July 13, 2009 at 02:23 PM
熊野ではそんなこともしてるんですね。
産卵の様子、海に一生懸命に帰っていく様子、見てみたいです。
Posted by: じゅんじゅん | July 13, 2009 at 05:04 PM
剛さん、まいど。
この海亀の産卵後の砂の表情がなんともいえませんねえ。ぞくぞくっとする生態系の凄さと、種の保存のための本能、そして自然界に適応して利用する産卵場所にある砂。う~ん、ロマンさえ感じるなあ。
Posted by: きよ | July 16, 2009 at 05:28 AM
コロラド・キヨさん、
いい写真でしょ? この撮影日には、車の中で寝て朝を待ちました。ちょいと産卵の時期に遅れて、あまりカメは産卵に来なかった。
でも、カメがプワーッといいながらピンポンのような卵を産む光景は感動的でした。
Posted by: ごう | July 16, 2009 at 11:47 AM
いいなあ。なんともいえない命の流れを感じるシーンだったんだろうなあ。テレビでは見たことありますが、実際のそれは感動でしょうね。
Posted by: きよ | July 17, 2009 at 12:41 AM